일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

牧野 富太郎의 牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,045자 · 185화면

아오조라 문고

浜尾総長の深慮

ところが、この頃になって、郷里の家の財産が少しく怪しくなって来た。私はこれまでの生活費だとか、書籍費だとか、植物採集の旅行費だとか、また出版費だとか、すべて郷里からドシドシ取寄せては費っていたので、無論そういつまでも続く筈はなかったのである。それで郷里からは一度帰って整理をしてくれといって来るので、やむなく私は二十四年の暮に郷里へ帰った。

整理をすませたら、また出て来て今度は大いに矢田部氏に対抗してやる考えであった。ところが、私が郷里へ帰ったあとで、矢田部氏は急に大学を罷職になってしまった。もとより私との喧嘩が原因したわけでなく、他に大いなる原因があったのであるが、とにかく当面の敵が大学を退いてみると、また多少の感慨がないこともなかった。これでまず第一の受難は終ったわけだ。

浜尾総長の深慮

次に来た受難こそ、私にとって深刻を極めたものであった、その深手を負ったその時の瘡痍がまだ今日まで残っているものがある。

矢田部氏の後をついで大学の教授になったのは松村任三氏であるが、私は菊池大麓先生の推挙によってこの松村氏の下で、明治二十六年に助手としてはじめて大学の職員につらなることになった。