후리가나로 읽는 일본 고전
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選(ひだのかいだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,271자 · 263화면
(四十一)
「可、俺が降りて見る。」
六十に近い七兵衛老爺が手に唾して奮然と起つを見ては、若い者共も黙っては居られぬ。皆口々に、「老爺さんは危ねえ、私等が行く。」と、遮り止めた。が、此の毛綱を伝って降りると云うことは余り安全の方法でない。
「何か可い物はあるまいか。」
飛騨の山人は打寄って、この国特有の畚を作ることを案じ出した。
(四十一)
飛騨の畚渡しは、昔から絵にも描かれ、舞台にも上されて甚だ有名である。河中に岩石突兀として橋を架ける便宜が無いのと、水勢が極めて急激で橋台を突き崩して了うのとで、少しく広い山河には一種の籠を懸けて、旅人は其の両岸に通ずる大綱を手繰りながら、畚に吊られて宙を渡って行く。勿論、今日では其仕掛に多少の改良は加えられたが、天然の地形は未だ畚渡しの全廃を許さぬ。飛騨の奥ふかく迷い入る人は、大切な生命を一個の畚に託して、眼も眩むばかりの急流の上を覚束なくも越えねばならぬのである。
されば今この人々は早くも畚を思い付いた。七兵衛が指揮の下に、大勢は窟の外へ一旦引返して、四辺に立ったる杉や樅の大枝を折った。或者は山蔦の蔓を折った。斯くて約二十分の後には、大きい枝を組み合わせ、長い蔓を巻き付けて、人を容るるに足るほどの畚を作り上げた。