후리가나로 읽는 일본 고전
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選(ひだのかいだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,271자 · 263화면
、第4水準2-80-51)とが闘った樅の林を過ぎると、路は爪先上りに嶮しくなって来た。落葉松や山毛欅や扁柏の大樹が日を遮って、山路は漸次に薄暗くなって来た。何処やらで猿の声が聞えた。
天正十三年、所謂「飛騨の三方崩れ」という怖るべき大地震が、ここら一帯の地形を一変して、麓近い路にまで剣なす岩石が突出した。其中には怒れる人の顔のような真蒼な岩もあった。百千人の生血を灑ぎ掛けたような真赤な岩もあった。岩と岩との間は飛んで渡るより他はない、二人は蛇のような山蔦の太い蔓に縋って、宛ら架空線を修繕する工夫のように、宙にぶら下りながら通り越した。
お杉は通い馴れた路であるから不思議はないが、お葉が何うして此の難所を跳越え、渡り越えたかは疑問である。恐く夢のようで自分にも判るまい。
虎ヶ窟の入口には彼の重太郎が佇立んでいた。其の傍には猿のような、小児のような、一種の怪しい者が蹲踞んでいた。
「帰って来たよ。」
お杉が声をかけると、重太郎は無言で顧った。母の後には、帯も裳もしどけなく、脛も露出に立ったるお葉の艶なる姿が見えたので、重太郎は山猿のような笑い声を出して、猶予なく其前にひらりと飛んで行った。