후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면
ながら、いずれもその時の来るのを待ち望んだ。意外にも、その上請をしないうちに、将軍は脚気にかかって、わずか五年を徳川十三代の一期として、にわかに薨去した。岩瀬肥後の極力排斥した慶福擁立説がまた盛り返して来た日を迎えて見ると、そこに将軍の遺旨を奉じて起ち上がったのが井伊大老その人であったのだ。
岩瀬肥後の政治生涯はその時を終わりとした。水戸の御隠居を始めとして、尾州、越前、土州の諸大名、およそ平生彼の説に賛成したものは皆江戸城に集まって大老と激しい議論があったが、大老は一切きき入れなかった。安政大獄の序幕はそこから切って落とされた。彼はもとより首唱の罪で、きびしい譴責を受けた。屏けられ、すわらせられ、断わりなしに人と往来することすら禁ぜられた。その時の大老の言葉に、岩瀬輩が軽賤の身でありながら柱石たるわれわれをさし置いて、勝手に将軍の継嗣問題なぞを持ち出した。その罪は憎むべき大逆無道にも相当する。それでも極刑に処せられなかったのは、彼も日本国の平安を謀って、計画することが図に当たり、その尽力の功労は埋められるものでもないから、非常な寛典を与えられたのであると。