후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면
もともと馬籠にはほかによい旅籠屋もなかったから、新宅と言って泊まる旅人も多く、追い追いと常得意の客もつき、小女まで置き、その奉公人の給金も三分がものは翌年は一両に増してやれるほどになった。飯米一升買いの時代のあとには、一俵買いの時代も来、後には馬で中津川から呼ぶ時代も来た。新宅桝田屋の主人はもうただの百姓でもなかった。旅籠屋営業のほかに少しずつ商売などもする町人であった。
二代目惣右衛門はこの夫婦の末子として生まれた。親から仕来った百姓は百姓として、惣領にはまだ家の仕事を継ぐ特権もある。次男三男からはそれも望めなかった。十三、四のころから草刈り奉公に出て、末は雲助にでもなるか。末子と生まれたものが成人しても、馬追いか駕籠かきにきまったものとされたほどの時代である。そういう中で、二代目惣右衛門は親のそばにいて、物心づくころから草刈り奉公にも出されなかったというだけでも、親惣右衛門を徳とした。この二代目がまた、親の仕事を幾倍かにひろげた。
人も知るように、当時の諸大名が農民から収めた年貢米の多くは、大坂の方に輸送されて、金銀に替えられた。大坂は米取引の一大市場であった。