후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면
妻籠からは、彼は自分を待ち受けてくれる人たちにと思って、念のために帰宅を報じて置いた。
寿平次を加えてからの帰路は、一層半蔵に別な心持ちを起こさせた。大橋を渡り、橋場というところを過ぎて、下り谷にかかった。歩けば歩くほど新生活のかどでにあるような、ある意識が彼の内部にさめて行った。
「寿平次さん、君の方へは何か最近に来た便りがありますか――江戸からでも。」
「さあ、最近に驚かされたと言えば、生麦事件ぐらいのものです。」
「あの報知はわたしの方へも早く来ました。ほら、横須賀の旅に、あの辺は君と二人で歩いて通ったところなんですがね。」
武州の生麦と言えば、勅使に随行した島津久光の一行、その帰国を急ぐ途中での八月二十一日あたりの出来事は江戸の方から知れて来ていた。あの英人の殺傷事件を想像しながら、木曾の尾垂の沢深い山間を歩いて行くのは薄気味悪くもあるほど、まだそのうわさは半蔵らの記憶になまなましい。
「寿平次さん、わたしはそれよりも、あの薩摩の同勢の急いで帰ったというのが気になりますよ。あれほどの事件が途中で起こったというのに、それをうっちゃらかして置いて行くくらいですからね。