후리가나로 읽는 일본 고전
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 孤島の鬼(ことうのおに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 181,795자 · 359화면
北川氏は仲々の野心家であったから、すっかり自分の手で調べ上げてしまうまで、署長にも報告しない積りであった。
「お前さっき、箱の中へ入れられるって云ったね。箱って一体何だね。そんなに恐ろしいものかい」
「ブルブルブルブル、お前達の知らない地獄だよ。人間の箱詰めを見た事があるかい。手も足もしびれちまって、俺みたいな片輪者は、みんなあの箱詰めで出来るんだよ。アハハ……」
一寸法師は謎みたいなことを云って、気味悪く笑った。だが、彼は馬鹿ながらも、どこかに正気が残っていると見えて、いくら尋ねても、それ以上は冗談にしてしまって、ハッキリしたことを云わないのだ。
「お父つぁんが怖いんだな。意気地なし。だが、そのお父つぁんてな、どこにいるんだい。遠い所って」
「遠い所さ。俺ぁどこだか忘れちまった。海の向うの、ずっと遠い所だよ。地獄だよ。鬼ヶ島だよ。俺ぁ思い出してもゾッとするよ。ブルブルブルブル」
という訳で、その晩は何と骨折っても、それから先へ進むことが出来なかったけれど、北川氏は自分の見込みが間違っていなかったことを確めて、大満足であった。同氏はそれから数日の間、根気よく一寸法師を手なずけ、相手が気を許して、もっと詳しい話をするのを待った。