일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 孤島の鬼(ことうのおに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 181,795자 · 359화면

아오조라 문고

その岩角の向側に、はだか蝋燭がゆらいでいる。吉か凶か、私は足がすくんで、最早や前進する力がなかった。

その時、突然、岩の向側から異様な叫び声が聞えて来た。よく聞くと単なる叫び声ではない。歌だ。文句も節も滅茶滅茶の、嘗つて聞いたこともない兇暴な歌だ。それが、洞窟に反響して、一種異様の獣の叫び声とも聞えたのだ。思いがけぬ場所で、この不思議な歌を聞いて、私はゾッと身の毛もよだつ思いがした。

「丈五郎だよ」

先頭に立った道雄が、ソッと岩角を覗いてびっくりして、首を引込めると、低い声で私達に報告した。

土蔵にとじ籠めて置いた筈の丈五郎が、どうしてここへ来たか。なぜ妙な歌を歌っているのか。私はさっぱり訳が分らなんだ。

歌の調子は益々高く、愈々兇暴になって行く。そして、歌の伴奏の様にチャリンチャリンと、冴返った金属の音が聞えて来る。

道雄は又ソッと岩角から覗いていたが、やがて、

「丈五郎は気が違っているのだ。無理もないよ。見給え、あの光景を」

と云いながら、ずんずん岩の向側へ歩いて行く。気違いと聞いて、私達も彼のあとに従った。

アア、その時私達の目の前に開けた、世にも不思議な光景を、私はいつまでも忘れることが出来ない。