후리가나로 읽는 일본 고전
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면
先ず、例の如く手術を施し、牛肉を与えると同時に手袋のにおいを嗅がせました。手袋の表面には血痕が附着して居りますから、手袋を裏返して使用しました。又、いうまでもなく、手袋の内面の方が、その手袋の持主の手のにおいを余計につけて居る筈ですから、裏返すのは当然のことです。
さて、一二日その実験を繰返して居るうち、遂に犬に食物を与えないで、手袋を近づけるだけで、唾液の量を増すようになりました。即ち立派に条件反射を起すに至ったのであります。鯉坂君は、暗室の中へはいって、静かに手袋を取り出すとき、犬の顎の下から滴る露の数の急に増加するを見て、踊りたくなる程の喜びを感じました。もうこの上は犯人嫌疑者を引張って来て、その手を犬に嗅がせれば、それが真犯人であるか否かをたちまち鑑別し得るのであります。
然し、いくら警察でも、犯人嫌疑者を、濫りに作ることは出来ません。で、鯉坂君は、先ず、一旦嫌疑者として引張られて放免された、被害者よし子の情夫を念のために取調べたき旨、検事に申し出ました。
検事は鯉坂君の願いを容れて、よし子の情夫を生理学教室に連れて来ました。鯉坂君は、その男を暗室に伴って、犬の前に、その右手を差出させましたが、犬は少しも唾液の点滴の数を増しませんでした。