일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면

아오조라 문고

時として広重の横絵に見るような松並木の街道を歩いて、道ばたに設けられたみすぼらしい茶店に腰を下しても、ミルク・キャラメルが塵にまみれて並べてあったのでは、五十三次の気分など立ちどころに打ち壊されて了い、頗る失望せざるを得なかった。けれども、夜になって、わざとむさくるしい宿屋を選んで、狭い、臭い一室に泊ると、さすがに旅の寂しさがしみじみ感ぜられて、その寂しさを味うだけでも、今度の旅は有意義なものだと思うに至ったのである。

道中のことをくだくだしく書くのはやめて、三日目に私は美濃の国にはいった。予定では古戦場で名高いS原を訪ねるつもりであったが、どう道を間違えたものか、人家の少しもない山奥に迷いこんでしまったのである。然し、道を迷ったということが何かこう一種の因縁のように思われて来て、私のあこがれて居る夢幻の世界へ踏み入る第一歩であるような気がした。或は、ことによると、世に言う狐狸のたぐいにばかされたのかも知れぬと考えると、急に、むらむらと冒険心が湧いて来て、却ってうれしいような気分になり、今夜は樹の蔭か岩の下で野宿をしてもかまわぬから行けるところまで行こうと決心して、全く人の往来のない細路をずんずん歩きつづけたのである。