후리가나로 읽는 일본 고전
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면
ただ、白のみは、相も変らず忠実に主人につかえて居りました。
然し、その頃には、お蝶さんは文字通り無一物になってしまって、その日の食うものにも困るようになりました。白は殊勝にも、村の居酒屋などから肉片を貰って来ては、お蝶さんに喰べさせるのでありました。村人も非常に同情して、野菜や米の袋などを白の口にくわえさせますと、白は忠実にそれをお蝶さんの許に運びました。
ところが、無情冷酷な五人の悪漢たちは、白が口にくわえて居るものをさえ横取りするようになったのです。どこまで彼等の残虐は続くのでしょう。白は始めのうちは反抗しましたが、後には棒で打たれるのを怖れて、若し食物をくわえて居るところを五人のものに見つけられると、くわえて居るものをすなおに彼等に提供しては逃げて行くようになりました。畜生とはいえども、定めし残念に思ったでしょうが、賢い白は無抵抗主義を発揮したのでありました。実に世の中には人間よりも賢い犬があるものです。白はほかの犬とちがって、めったに吠えたことがありませんでした。恐らくそれは無抵抗主義に徹底して居たためでありましょう。人間の無抵抗主義者はとかくよく喋舌りたがるものですが、この点、犬の方が一寸すぐれて居るように思われます。