일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면

아오조라 문고

きのうまでは、良人は戦場に在り、自分たちは国内にある、という観念でいたのが、一朝にして、そのけじめもなく、居る所いずこも戦場と化したのである。

が、これが戦国のあたりまえな相であった。戦国に生活してゆく人々にとっては、たとい一時の狼狽はしても、

(夢のような)

と、おろおろするようなことはなかった。あり得ぬことと嘆き沈んで、滅失に囚われてしまうような不覚者は侍女のなかにもいなかった。

ただ、母の身を、何処へ移しまいらせようか――それには寧子も心をいためた。一時、城は敵手にゆだねても、あの良人のことである。いつかかならず奪回する。その信も固かった。けれど万一、老母の身にひとすじの矢でも負わせたら取り返しがつかない。留守をあずかる妻として、良人にあわせる顔はない。それをのみいっぱいに思った。

「ただ母様を。――母様のお身を護って給も。寧子の身などかもうてくれるな。いくら惜しい物とて、財宝には心をひかれまいぞ」

寧子は、召使う女たちへも、一族の誰彼へも、こう諭したり励ましたりして、必死に道を東へ東へ急いだのであった。

長浜の西方一帯は湖だし、北は敵の京極や阿閉の与党が牽制しているし、美濃路の方面はまったく動静が知れないし、必然、伊吹の山ふところを望んで逃げてゆくしかなかったのである。