후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
見るまに、彼の顔は赤黒く茄って、その額から玉の汗がにじみ出し、無数の小さい湯気の虹が立った。
早湯、早飯は、習性である。ざぶッと、滝のような音をさせて出ると、
「おいよ。誰か、背を流せ」
と、外へ命じた。
揚り屋にひかえていた小姓の石田佐吉と大谷平馬のふたりは、はいッと、待ちうけていたように、すぐ秀吉のうしろに廻って、ごしごしと襟くびから手のさきまで、力にまかせてこすった。
秀吉は突然笑い出して、
「おもしろいほど、出るなあ」
と、自分の足もとを見まわした。小鳥の糞を撒いたような垢である。
「痛い痛い。もうよい」
後はざっと自身で洗って、もう一度湯ぶねにざぶと沈むとすぐ揚って来た。
戦陣で見られるこの人の威容というものは、いったいどこに備わっているものなのか。こんなとき、一糸まとわぬ彼の肉体を熟視すると、それはまことに貧弱なものだった。ここ五年越しの打続く戦陣生活にもずいぶん無理はして来たに違いないが、それにしても四十七歳という体にしては余りに脂肪がなさ過ぎる。――この頃になってもなお依然として、尾張中村の貧農の子であった発育不足な面影がどこかにある。