후리가나로 읽는 일본 고전
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
菊池 寛의 日本合戦譚(あねがわのかっせん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 154,771자 · 313화면
それに引代え、軍の先鋒は信玄の秘蔵の大将であり、其他の将士も皆音に聞えた猛士であるが、この戦に殆んど総て討死して仕舞った。智勇の良将を失った勝頼は爪牙を無くした虎の如く再び立ち得なかったのも当然である。
戦機いよいよ熟した二十日の夜である。織田の陣中に於て、最後の軍評定が開かれた。陣中の座興にと、信長、家康の士酒井左衛門尉忠次に夷舞を所望し、諸将箙を敲いて囃した。充分の自信があったのであろう。落付き払った軍議の席である。いよいよ評定に入るや、かの好漢忠次真先に、鳶ヶ巣以下の諸塁を夜襲し、併せて武田勢の退路を断たんことを提議した。信長、迂愚の策を、上席に先んじて口に出したと、怒って退出したが、密かに忠次を呼び入れて、「汝の策略は最も妙、それ故に他に洩れるのを慮って偽り怒ったのだ」と云って秘蔵の瓢箪板の忍び轡を与えた。忠次勇躍して、本多豊後守広孝、松平主殿助伊忠、奥平監物貞勝等と共に兵三千、菅沼新八郎を教導として進発した。松山越の観音堂の前で各々下馬して、甲冑を荷って嶮所をよじたが、宵闇ではあるし行悩んだ。忠次、そこで案内者を先に行かしめ、木の根に縄を結び付け、これにとり付いて一人宛登って行かせた。