후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면
「しかしずいぶん日本語がうまいですね。」
「いや、ちっともうまくないです。」
彼は前よりももっとむっつりした調子でこう言ったまま、テーブルの上にあった支那新聞を取り上げた。僕はますます可笑しくなったが、しかしまた多少気の毒にもなり、またあまり長い間話ししていては険呑だとも思ったので、それをいい機会にして黙ってしまった。そして彼には後ろむきになって、やはりテーブルの上の支那の新聞を取りあげた。
こうしてしばらく待っている間にBが帰って来た。僕はNに分らんように、筆談で彼と話しした。彼は僕をいい加減な名でNに紹介した。
翌日僕は、Bの家の近所を歩き廻って、ロシア人の下宿屋を見つけた。そして、ただ少々の前金を払っただけで、名も何にも言わずにそこの一室に落ちついた。
僕は食堂へ出るのを避けて、いつも自分の室で食事した。したがって、下宿屋の神さんでもまたほかの下宿人でも、ほとんど顔を見合したことがなかった。二日経っても三日経っても、宿帳も持って来なければ、名刺をくれとも言って来ない。僕は呑気なもんだなと思いながら、支那人のボーイに僕がどこの国の人間だか分るかと聞いて見た。