후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면
奥と言っても、店からすぐ見える汚ならしい次の部屋なのだ。そこもやはり、同じような人間が七、八人突立っていて、ガヤガヤとしゃべっているほかに、やはり同じような人間が隅っこの机に二人ばかり何か仕事をしていた。その一つの机のそばに立って、手紙の束を手早く一つ一つ選り分けている男が一人、ほかの人間とは風も顔も少し違っていた。日本で言ってもちょっと芸術家といった風に頭の毛を長く延ばして髯のない白い顔をみんなの間に光らしていた。ネクタイもしていた。服も、黒の、とにかくそんなに汚れていないのを着ていた。僕はその男をコロメルだときめてそのそばへ行って、君がコロメルか、と聞いた。そうだ、と言う。僕は手をさし出しながら、僕はこうこうだと言えば、彼は僕の手を堅く握りしめながら、そうか、よく来た、と言って、すぐ日本の事情を問う。腰をかけろという椅子もないのだ。
「どこか近所のホテルへ泊りたいんだが。」
と言うと、
「それじゃ私が案内しましょう。」
という、女らしい声が僕のうしろでする。ふり返って見ると、まだ若い、しかし日本人にしてもせいの低い、色の大して白くない、唇の大きくて厚い、ただ目だけがぱっちりと大きく開いているほかにあんまり西洋人らしくない女だ。