후리가나로 읽는 일본 고전
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 247,361자 · 483화면
後ろ姿を眺めているうちに、また矢も盾もなく、堪らなくなってきた。なぜこんなに胸が騒ぐのか理由はわからぬが、殿下の手紙を眼にしている時から胸が迫って、まるで殿下が自殺でも図っていらっしゃるかのように、こうして待っていることさえが、殿下の死に間に合わなくなるような、不吉な予感がしてくるのであった。
堪らなくなって、到頭、階段を駆け上った。二階は広い廊下が右と左に分れて、その右側の二つ目の部屋から、今取り次いだ家職が出て来た。無作法に駆け上って来た彼女を見ると、眉をひそめたが何にもいわずに、その取っ付きの扉をあけた。
「お逢いになります。ここでしばらくお待ち下さい」
家職の数も、あまり多くはないのであろう。家の中は森閑として、彼女の通された部屋は応接間と見える。あちこちに深々とした黒革張りの安楽椅子や、長椅子類、大きなシャンデリア、厚いどっしりとしたカーテン等さすがに見事な王室の調度が部屋を埋めて暖炉には火がチロチロと燃えている。
そして隣りが殿下の書斎であろう。書き物をしていられると見えて、サラサラとペンの音が流れてくる。今にも入っていらっしゃるかと突っ立っていたが、こうやっている間にも、なんとしても胸の騒ぎが収まらぬ。