일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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えどげいじゅつろん

江戸芸術論

永井 荷風

永井 荷風의 江戸芸術論(えどげいじゅつろん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,130자 · 167화면

아오조라 문고

今これら浮世絵各時代の制作品を把つてこれを通覧するに、余は鈴木春信の板画によりて最も深き印象を与へられたり。

春信の板画には菱川一派の板画に現はれたる元禄時代の放胆なる筆勢は全く消滅してまた尋ぬべくもあらず。然れども奥村一派の作に窺ふべき柔和なる元禄時代の他の一面はここに一種古雅の風致となりて存せるものあり。しかして天明寛政時代の精密なる写生の画風いまだ起るに至らず。されば春信の板画は過去の粗大と将来の繊細との中間に立ちて独り温雅優美の情を恣にするものといふべきなり。

春信板画の特徴は一見まづその題材によつて明かなり。春信は自ら役者似顔絵を描かずと称し、専ら美人を描きまたこれに配するに美貌の若衆を以てせり。余の最も愛玩措く能はざるものは即ちこれら年少相思の男女を描けるものとす。

試に余の記憶を去らざるこの種の画様を記述せしめんか。その一は桜花爛漫たる土塀の外に一人の若衆頬冠りにあたりの人目を兼ねて彳めば、土塀にかけたる梯子の頂より一人の美女結び文を手に持ち半身を現はしたり。その二は一樹の垂楊図の上部を限る霞の間より糸の如きその枝を吹きなびかす処、大なる菱形の井筒を中央にして前髪姿の若衆縞の着流し羽織塗下駄の拵へにて居住ひ、井筒の上に頬杖して見えざる井の底を指す。