후리가나로 읽는 일본 고전
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えどげいじゅつろん
江戸芸術論
永井 荷風
永井 荷風의 江戸芸術論(えどげいじゅつろん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,130자 · 167화면
五
暗き夜の空より雨斜に降りしきる橋袂、縞の合羽に単衣の裾を端折りし坂東又太郎を中にしてその門弟三木蔵七蔵らぶら提灯に路を照しつついづれも大きなる煙草入下げたる尻端折、雨傘打並べて歩み行くさま何にとなく江戸らしい好い心持なり。巻末に市川白猿牛島の隠宅にて成田屋と自筆の提灯を嵐雛助に遣はす処、これ人のよく知る逸話なるべし。
五
豊国よりやや先立ちて寛政の初年に東洲斎写楽なる画工あり。写楽は役者似顔絵専門の板下絵師なりしが極端なる写実の画風当時の人気に投ぜず暫時にしてその制作を中止せり。維新以後外国人の浮世絵研究盛なるに及びても写楽はなほ重んぜられず日本美術研究の開拓者と称せられし米人フェノロサの如きも写楽の俳優肖像画を以て醜陋なりとなしき。然るに巴里においてはカモンド伯を初め写楽を愛するもの漸く多く遂に写楽は浮世絵師中最大の画工と見なさるるに至れり。昨年独逸人クルトの出版せる書籍中には今日まで我邦人すらかつて見ざりしほどの珍品をも網羅し尽せり。これによつて窺へば写楽の似顔絵は細絵の全身画も多けれど無比の傑作とすべきはやはり世人知る所の雲母摺なるべし。当時歌麿の美人画にも肖像画の地色に銀色の雲母を敷きたるもの多し。