일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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えどげいじゅつろん

江戸芸術論

永井 荷風

永井 荷風의 江戸芸術論(えどげいじゅつろん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,130자 · 167화면

아오조라 문고

四

も唯美し艶しといはんよりはあたかも入相の鐘に賤心なく散る花を見る如き一味の淡き哀愁を感ずべし。余は春信の女において『古今集』の恋歌に味ふ如き単純なる美に対する煙の如き哀愁を感じて止まざるなり。人形の如き生気なきその形骸と、纏へる衣服のつかれたる線と、造花の如く堅く動かざる植物との装飾画的配合は、今日の審美論を以てしては果していくばくの価値あるや否や。これ余の多く知る処にあらざる也。余は唯此の如き配合、此の如き布局よりして、実に他国の美術の有せざる日本的音楽を聴き得ることを喜ぶなり。この音楽は決して何らの神秘をも哲理をも暗示するものにあらず。唯吾人が日常秋雨の夜に聞く虫の音、木枯の夕に聞く落葉の声、または女の裾の絹摺れする響等によりて、時に触れ物に応じて唯何がなしに物の哀れを覚えしむる単調なるメロデーに過ぎず。浮世絵はその描ける美女の姿態とその褪めたる色彩とによりて、いづれも能くこの果敢なきメロデーを奏するが中に、余は殊に鈴木春信の板画によりて最もよくこれを聴き得べしと信ずるなり。

四

以上は春信の作品に対する散漫なる余の感想を記したるに過ぎず。もし浮世絵の画工として十分に春信の価値を知らんとせば少しく浮世絵板画発達の跡を尋ねざるべからず。