후리가나로 읽는 일본 고전
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えどげいじゅつろん
江戸芸術論
永井 荷風
永井 荷風의 江戸芸術論(えどげいじゅつろん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,130자 · 167화면
ぬ。
余は爰に西洋審美学の学理に照して江戸演劇を解剖分析しこれを評価するの必要を見ず。そは森先生が『月草』の書中「思軒居士が耳の芝居目の芝居」と題する論文その他においてハルトマンが学説を引きつぶさにこれを説明せられたればなり。余は今日となりては江戸演劇を基礎としてこれが改造を企てんよりはむしろそは従来のままなる芝居として観ん事を欲せり。演劇改革の事業とその鑑賞玩味の興とは自ら別問題たるべし。
江戸演劇は舞踊と合せてこれを貴族的なる能楽に対照し専江戸平民美術として見る時余は多大の興味を感じて止まざるなり。これがためには聊かの改造もかへつて厭ふべき破壊となる。余の江戸演劇に対して感ずる興味は凡てその外形にあり。たまたま戯曲の内容につきて感ずる所ありとなすもそは外形の美によりて偶然に感動するに外ならず。
拍子木の音と幕明の唄とに伴ひて引幕の波打ちつつあき行く瞬間の感覚、独吟の唄一トくさり聴きて役者の花道へ出る時、あるひは徐ろに囃子の鳴物に送られて動行く廻舞台を見送る時、凡てこれらの感覚は唯芝居らしき快感といふ外何らの説明を付する事能はずといへども要するに江戸演劇を措きては他に求むる事能はざるものならずや。