후리가나로 읽는 일본 고전
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えどげいじゅつろん
江戸芸術論
永井 荷風
永井 荷風의 江戸芸術論(えどげいじゅつろん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,130자 · 167화면
加ふるに文化末年名古屋に赴くの途次親しく諸国の風景を目睹し、ここに多年の修養自ら完備し来りて、文政六年年六十余に至り初めて富嶽三十六景図の新機軸を出せり。これを以て見るも北斎は全く大器晩成の人にして、年七十に及んで初めて描く事を知りたりと称せしその述懐は甚だ意味深長なりといふべし。
富嶽三十六景中今試みに江戸日本橋の一図を採りてこの種類の板画全般を想像せしめんとす。日本橋の図は中央に擬宝珠を聳したる橋の欄干と、通行する群集の頭部のみを描きて図の下部を限り、荷船の浮べる運河を挟んで左右に立並ぶ倉庫の列を西洋画の遠近法に基きて次第に遠く小さく、その相迫りて危く両岸の一点に相触れんとする辺に八見橋と外濠の石垣を見せ、茂りし樹木の間より江戸城の天主台を望ませたり。富士山は天主の背後に棚曳く霞の上(図の左端)に高く小さく浮び出さしむ。この図を一見して感受する所のものは遠近法に基く倉庫及び運河の幾何学的布局より来る快感なり。しかしてこの快感は北斎新案の色彩によりて更に一層の刺戟を添ふ。
北斎新案の色彩とは何ぞ。彼は日本橋橋上の人物倉庫船舶等の輪廓を描くに日本画の特色たる墨色の線を廃し、全画面の色調を乱さざらんがため緑と藍との二色の線を以てしたり。