후리가나로 읽는 일본 고전
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
牧野 富太郎의 牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,045자 · 185화면
翌明治二十六年一月になって私の長女が東京で病死したので急遽私は上京した。大学の方はどう成っているか知らんと聴いて見たら、地位がそのまま空けてあるからいつからでも這入れという事で、私は遂に民間から入って大学の人となり、助手を拝命して植物学教室に勤務し、毎月月給を大枚十五円ずつ有難く頂戴したが、これは一面からいうと実は芸が身を助ける不仕合せでもあったのである。
実は私は大学へ勤める迄は、私の覚えていない程早く死んだ親から遺された財産があって、何の苦労も無くノンビリと一人で来たのである。が丁度大学へ入った時分にそれが全く尽きて仕舞った。それは大抵皆なわが学問に入れあげたからであったが、そこは鷹揚な坊チャン育ちの私には金の使い方が確かにマズク、今でもよく牧野は百円の金を五十円に使ったと笑われる事がある。
惟うて見れば誠に不思議なもので小学校も半分しかやらず、その後何処の学校へも這入らず、何の学歴も持たぬ私がポッカリ民間から最高学府の大学助手になり、講師になり、後には遂に博士の学位迄も頂戴したとは実にウソのようなマコトで実に世は様々、何がどうなるか判ったもんでは無い。