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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤垢石『『たぬき汁』以後』。同一底本的分册已合并为一书。收入:泡盛物語、岩魚、烏恵寿毛、越後の闘牛、岡ふぐ談、香熊、熊狩名人、猿ヶ京、支那の狸汁、しゃもじ(杓子)、食指談、純情狸、食べもの、飛沙魚、鯰、入社試験、魔味洗心、老狸伝、わが童心、ミミズ酒と美女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 页
「僕のところに何かあれば、喜んで交換してやるのだが、生憎で気の毒だな。ところで、君はちょいちょい買いだしに歩くかね」
「ええ、電休日がくると必ず家内にせきたてられますので――」
「そこで、君たちは農村から食べものを、どんな相場で買って行くのです」
「品により相手により土地により、相場などときまったものはありませんよ。その日の運不運行き当たりばったりですよ。まあ、品物を分けていただいたその礼に、いくらかの金を差しあげるというわけになるのですから、農家から闇で買うというわけでもありませんね」
「なるほど」
「つまり、農家の親切に対し金で謝意を表するのですから普通の取引のようには行きません。ですから、家へ帰って計算してみると、随分高価な食べものもありますし、割合に安いものもあります」
「ふふん、貴公はなかなか、うまいことをいうね。ところで高価であるといっても、どの位高いのか、僕には見当がつかないが、一体八百屋から買った方が高いか安いか――」
「そりゃ、八百屋から配給を受けた方が、安いにきまってるじゃありませんか」
「そうだろうな、気の毒だね。――お礼はどんな程度に差しあげるのかね」