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ふしぎなひと
ふしぎな人
江戸川 乱歩
「たのしい二年生」大日本雄弁会講談社/講談社、1958(昭和33)年8月~1959(昭和34)年3月<br>「たのしい三年生」講談社、1959(昭和34)年4月~12月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 44,138 字 · 89 页
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それから、ぼくがこの木のみきにかくれると、そこにまちかまえていた林さんが、すがたをあらわしたというわけだよ。わかったかい、これがまほうのたねなんだよ」
きいてみるとすっかりわけがわかりました。
「ねえ、さっき林さんがそらへのぼっていったのは、プロペラのしかけでしょう。でも、どこへ行ったのかしら。てんにのぼったまま、かえってこないのかしら」
たけしくんが、しんぱいそうにいいますと、しょうねんは、さもおかしそうにわらいだしました。
3
きむらたけしくんと、いもうとのきみ子ちゃんは、まほうつかいといわれる林さんのうちへあそびに行って、いろいろふしぎなことをみました。
おしまいには、林さんは、たかい木のてっぺんから、こうもりのように、そらへとんでいってしまいました。林さんは、にんげんひとりだけをはこぶプロペラをはつめいしていたのです。
そのあとで、林さんとそっくりのすがたをしたしょうねんが、木のうしろからあらわれて、いままでのふしぎなことをいろいろとせつめいしてくれましたが、たけしくんが、
「林さんは、てんにのぼったまま、かえってこないのかしら」
といいますと、しょうねんは、さもおかしそうにわらいだしました。