轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

「新青年」博文館、1926(大正15)年10月~1927(昭和2)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,920 字 · 153 页

青空文庫

その方法というのはお前も知っている通り、景色を描いた高い壁で以て見物席を丸く取囲み、その前に本当の土や樹木や人形を飾って、本物と絵との境をなるべく見分けられぬ様にし、天井を隠す為に見物席の廂を深くする。ただそれ丈けのことなのだ。私はいつか、このパノラマを発明したというフランス人の話を聞いたことがあるけれど、それによると、少くとも最初発明した人の意図は、この方法によって一つの新しい世界を創造することにあったらしい。丁度小説家が紙の上に、俳優が舞台の上に、夫々一つの世界を作り出そうとする様に、彼も亦、彼独特の科学的な方法によって、あの小さな建物の中に、広漠たる別世界を創作しようと試みたものに相違ないのだ」

そして、廣介は手を挙げて、陽炎と草いきれのかなたに霞む、緑の広野と青空との境を指さしました。

「この広い芝原を見て、お前は何か奇異の感じに撃たれはしないだろうか。あの小さな沖の島の上にある平野としては、余りに広すぎるとは思わないだろうか。見るがいい。あの地平線の所までは、確かに数哩の道のりがある。本当を云えば、地平線の遙か手前に、海が見える筈ではないだろうか。