轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
「新青年」博文館、1926(大正15)年10月~1927(昭和2)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,920 字 · 153 页
ているのでしょうし、そうでなくても、バラバラにくずれた骨が、一つの墓から二人分出て来たとて、誰れも知らない幾時代も前に葬った仏のことです。それと廣介の悪計と、どう連絡をつけることが出来ましょう。と、彼は信じたのでした。
隣の墓を掘り返すことは、土が固っていたので、少々骨が折れましたが、汗まみれになって、せっせと働く内には、どうやら骨らしいものに掘り当てることが出来ました。棺桶なぞは無論、跡形もなく腐って、ただバラバラの白骨が、小さく固っているのが、星の光りでほの白く見えるばかりです。そんなになると、もう臭気とてもなく、生物の骨という感じをまるで失って、何か清浄な、白い鉱物みたいに思われるのでした。
あばかれた二つの墓と、一個の人間の腐肉を前にして、暗の中で、彼は暫く静止を続けました。精神を統一し、いやが上にも頭の働きを緻密にしようが為なのです。うっかりしてはいけない。どんな些細な疎漏もあってはならない。彼は頭を火の玉の様にして、暗の中のおぼろな物を眺め廻しました。
暫くすると、彼は少しの感動もなく、源三郎の死体から、白布の経帷子をはぎ取り、両手の指から三本の指環をひきちぎりました。