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ヨブきこうえん
ヨブ記講演
内村 鑑三
丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页
とて死後に神を見んとの確信を発表し、二十七節には「我れみずから彼を見奉らん」とこれを反覆強調し、次に「わが目かれを見んに識らぬ者の如くならじ」と三度繰返してその確信を発表している。最後の語は神をわが友として認識せん(今日の如く敵として相対する如きことあらじ)との意味を言い表したのである。
◯この偉大なる語の最後に「わが心これを望みて焦る」とあるに注意すべきである。我を贖う者は後日地上に現われんといい、死後われを見んという、実にこれ偉大なる希望である。彼はこの聖望心に起りて心の琴の高く鳴るを感じた。この語を発しつつある時、彼の心は九天の上にまで挙げらるるを感じた。この大希望を以て熱火の如く彼の心は燃えた。彼の心は湧きたった。大歓喜は彼の全心に漲った。故に彼はこの心に燃ゆる熱き望を言い表わして「わが心これを望みて焦る」というたのである。
◯この語の中に注意すべき二、三の思想がある。第一は贖う者は神であるという思想である。二十五節と二十六節を併せ見れば、この事は明瞭である。第二はこの贖う者が地上に現わるという思想、第三はある時において人が神を見る眼を与えられて明かに神を直視し得るに至るとの思想である。