轻松读懂日语经典作品
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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页
「要するにふんだくりゃあいいんだ、人情なんてものは弱い人間の泣き言だ、この世にそんなものはありゃあしねえんだ」
なんというか知らないが長い橋を渡った。
橋の袂に番小屋があり、そこで「橋銭」なるものを取られた。その小銭を出しているときに雨が降り出した。
「悪くすると雪になりますね」
番小屋の爺さんが云った。昌平はつまらない皮肉でそれに酬いた。
「道の銭は取らないのか」
橋を渡ってからも、まったく無目的に歩き続けた。雨がやまないので頭から手拭をかぶったが、両刀を差した侍にしては、稀有な恰好だろう。ゆき違う者がふしぎそうに見たり、慌てて除けて通ったりした。
「はてな、あの仏壇は、どこだったろう」
小さな社があったので、昌平はそこへはいってゆき、道から見えない裏へまわって、木の朽ちたような高廊下へあがった。そこなら雨は除けられる、彼は刀をとって腰をおろして、大きな溜息をついた。
「そうだ、麹町の家の仏壇だ」
昌平は苦痛を感じたように眉をしかめた。
彼は初めあによめに向って、持参金を出せと云った。そんなつもりはなかったのだが、日頃からそれが頭にひっかかっていたのだろう。