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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
それならば、何かそういう要素があるかというに、今までによく知られているものの中でも、確かに一つはある。それは大気電場である。本来、雷というものは、この大気電場の一つの特別な場合に過ぎないのである。
雷が電気現象であることは、今では小学生でも知っている。雲の中に電気が生じて、それが大地との間に放電を起すと、その時の火花が落雷電光になり、またその時の火花の音が雷鳴になる。そういう話は、今更いうまでもないことであろう。しかし、今一歩進んで、雲の中に電気が生ずるというのは、どういう意味か、また大地との間に放電が起きるというのは、どういうことかと聞かれると、ちょっと即答の出来ない人が、かなりあるであろう。
物理の話をするのが目的ではないから、ごく簡単にいうと、電気があるということは、その周囲に電気の場、即ち電場があるということなのである。もともと地球の表面には、いつでも電場があるので、それを大気電場といっている。その強さは、日により気象条件によってちがうが、大体高さ一メートルについて、百ヴォルト程度の電圧がかかっているくらいの電場である。それがいわゆる雷雲が発生する気象条件になると、数千倍にも強くなって、やがて大気の絶縁が破れる。