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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
それを露伴先生は、実に美事になしとげておられる。そして単に『周易参同契』の解説ばかりでなく、丹道の背景をなすところの中国古代の神仙思想一般にわたって、広く論及してある。
中国の古画を見ると、山水の場合ならば、ほとんど全部、仙人か高士かを配してある。人物画にも、仙人または仙人風のものが非常に多い。神仙の思想は、中国では、すべての階級に広く浸み込んでいるので、これを無視しては、古代中国人の思想を論ずることは出来ない。
この中国独特の神仙道は、遠く春秋戦国の時代に芽生えた老子の思想から発展し、それに荘子の学が加わったものである。この思想の中の例えば「谷神不死」というような言葉が、秦の始皇帝や漢の武帝の時代に、方士たちの手によって歪曲され、神仙怪異を主とした道術として燃え立ったのである。そして非常に長い年代の末に、それらの神変幻術が、遂に内省的な丹道に落付いたわけである。
この間の経緯は、複雑多岐をきわめ、また適当な手頃の文献を欠いている。ところがわれわれは、露伴先生の労作の御蔭で、この古代中国人の怪奇にしてかつ特異な神仙思想の発展史を、比較的容易に知ることが出来るのである。