轻松读懂日语经典作品
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页
「一体どの位の値打のものなのです」
明智が何気なく尋ねると、驚いたことには、
「おやすくして、二千円です」
との返事だ。誰の作かと聞くと、無論岡田が作ったのだという。無名の岡田の作品が、二千円とは法外な値段である。
「それがね、お話しなければ分りませんがね」
家主は、仲々お喋りである。
「実は岡田さんの葬式をすませると間もなく、商売人が訪ねて来ましてね、どうしても譲ってほしいというので、いくら位に引取ると聞くと、二百円と切出したのです」
「わたしは、あんなものの値打はちっとも分りませんが、その人がひどく執心らしいので、掛引きをしましてね、それでは売れぬといいますと、三百円、三百五十円とせり上げて行って、とうとう、四百円とつけたのです。
こいつは大変な金儲けになり相だと思いましたのでね。エへへ……わたしも慾が出ましてね、それでも売らねえと頑ばって見ました。
流石に、その商人も、弱ったと見えて、一度は帰って行きましたが、ナアニその内やって来るに違いないと思っていると、案の定、翌日訪ねて来て、そこでまた、五十円百円と値をせり上げましてね、千円でさあ。
この調子だと、どこまで上るか分らないと、わたしも妙な意地が出て、まだ頑ばっていると、それからというものは三日にあげずやって来て、そのたんびに、段々とせり上げて、二千円まで