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あいこくしんわたしはこうおもう
和人は舟を食う
知里 真志保
知里真志保『和人は舟を食う』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『愛国心』私はこう思う、あの世の入口、生きているコタンの銅像、おば金成マツのこと、金成マツとユーカラ、学問ある蛙の話、言語と文化史、洞爺湖の伝説、日本語とアイヌ語の関係、図書館通い、アイヌ語学、アイヌ語のおもしろさ、アイヌ宗教成立の史的背景、ホッキ巻。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 70,567 字 · 144 页
「ばけものでも来たのではないか、ぼろをいぶして魔よけにしろ!」
といって、ぼろに火をつけていぶしていた。老人たちはそこを引き返して戻ろうとすると、ばかに着物が重くなったので、よく見るといつのまにか着物の裾にたくさんの人間がぶら下っている。それをとって投げとって投げして、やっともとの穴から外に出て来た。ひとりの老人が、
「おれはああいう部落がすきだ、あそこに住んでみたいものだ」
と言うと、ひとりの老人は、
「おれはなんだかきらいな部落だな」
と反対した。
それからまもなく、すきだと言った老人は死んでしまい、きらいだと言った老人はいつまでも長生きをした。この老人たちの話で、この穴があの世に通じている地獄穴であることが分った。(アサヒガワ市チカブミ、川村ムイサシマツ婆さんから更科源蔵氏採集――『北海道伝説集』266―7ページ)
石狩川の支流忠別川の上流にピプという山がある。この山は水松が繁って昼も小暗いぶきみな所であるが、その繁みの中に深くて底の知れない石穴があり、その暗い底から時々悪臭の風が吹きだすので、この穴をウエンルパロ(悪い路の口)といって、人々は近づくのを恐れている。