轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わし

和紙

東野辺 薫

「東北文學」1943(昭和18)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,557 字 · 70 页

青空文庫

これを一枚ずつ剥ぎとって、臼を台にしてねせた乾板に藁刷毛で張るのである。障子紙の大判は板の一面に二枚であるが、半紙の大判なら三枚、美濃紙や傘紙は四枚貼れた。幅二尺二寸に長さが七尺五寸の松材の乾板(村では紙板と呼んでいる)は、四貫匁を越える重さであったが、それが紙付けをする人の肩にかかると、ちょうど長い一枚の紙ほどの軽さに見えるのだった。陽の射さない日でも一時間ぐらいで乾上るのを、両面交互に使ってゆくので、どこの家でも三十枚内外は持っていた。家でこの仕事をはじめた頃は、当時二円も出せば買えた板を五枚と揃えるのがようやくで、旦那から貰った楮叩きの台石だけが、不釣合に光っていたものだったと、いつか姑が述懐した。

舅の惣次郎は、始終事務所の仕事を手伝いに旦那の邸へ出かけて行った。旦那の弟と、作男上りの中年者がそこの事務員で、リヤカーの利かない雪道を、三人五人と背負い込んでくる紙を、いちいち処理しては現金も払ってやるのであるから、なかなか手が廻りかねた。惣次郎さ、お前ちょっと整理しろや、そう事務所の机から旦那に声をかけられると、ああ、見てやるべと、軽く腰を上げるのである。