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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页

青空文庫

俊夫君は、何思ったか、しばらくの間その破片をじっと見つめておりました。

「なかなか気のきいた泥棒だ」

と、俊夫君は嘲るように申しました。俊夫君がそういう言い方をするときは、必ず反対の意味を持っております。すなわち「気の利いた泥棒」というのは、「間の抜けた泥棒」という意味にとって差し支えありません。

それから、俊夫君は細工台の上の物や、細工台についている引き出しの中のものをいちいち丁寧に検べました。次に棚の上のものも同様の熱心をもって検べ、箱らしいものはみな蓋を取って中を検べました。まるで白金が工場のどこかに隠されてでもあるかのように、いわば血眼になって捜しました。最後に西側の下の棚の上に、盆にのせた土瓶と茶碗とがあるのを見て、俊夫君は木村さんに尋ねました。

「このお茶は誰が飲むのですか」

「私ですよ」

とこのとき工場へ入ってきた竹内さんが申しました。その口のきき方がいかにも俊夫君を馬鹿にしているような口調でして、私もいささか腹がたちました。

俊夫君は土瓶の蓋を取って見ました。

「竹内さんが飲むお茶だけに、中々うまそうな色をしている」

と、俊夫君も負けてはいません。