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おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

经历生死关头后,作者用细腻笔触回忆那段病中时光,那些细微的光影与人事,读来既心酸又温暖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,003 字 · 113 页

青空文庫

二十七

その代りカジノビスケットを一片貰った折の嬉しさはいまだに忘れられない。わざわざ看護婦を医師の室までやって、特に礼を述べたくらいである。

やがて粥を許された。その旨さはただの記憶となって冷やかに残っているだけだから実感としては今思い出せないが、こんな旨いものが世にあるかと疑いつつ舌を鳴らしたのは確かである。それからオートミールが来た。ソーダビスケットが来た。余はすべてをありがたく食った。そうして、より多く食いたいと云う事を日課のように繰り返して森成さんに訴えた。森成さんはしまいに余の病床に近づくのを恐れた。東君はわざわざ妻の所へ行って、先生はあんなもっともな顔をしている癖に、子供のように始終食物の話ばかりしていておかしいと告げた。

腸に春滴るや粥の味

二十七

オイッケンは精神生活と云う事を真向に主張する学者である。学者の習慣として、自己の説を唱うる前には、あらゆる他のイズムを打破する必要を感ずるものと見えて、彼は彼のいわゆる精神生活を新たならしむるため、その用意として、現代生活に影響を与うる在来からの処生上の主義に一も二もなく非難を加えた。自然主義もやられる、社会主義も叩かれる。