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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
すばらしいじゃないか。ねえ、哲雄君、そうだろう。保君、みっともない泣顔なんかするんじゃないよ。サア、元気を出して、又木のぼりをして、おいしい椰子の実を取っておくれよ」
「ウン、そうだね。一郎君はやっぱりえらいなあ。僕も考えなおしたよ。ロビンソンを見ならうんだ。ロビンソンは一人ぼっちで、舟もつくるし、稲もうえるし、牧場までつくって、無人島をすっかり住心地のよいところにしてしまったんだからね。僕たちもやろうよ。ねえ保君、早く椰子の実を取っておくれよ。そして、おなかがくちくなったら、三人でゆっくり、これからのことを相談しようじゃないか」
哲雄君も、しょげている保君をはげますようにいいました。
保君だって、チャメのター公の名にかけても、いつまでも泣顔してなんかいるわけにはゆきません。いきなりピョコンと飛びおきると、
「よし。じゃあ君達も下へ来て受けとるんだよ」
と、さけんだかと思うと、いきなり兎のように洞穴の外へ飛出して行きました。
そして、三人は又あのおいしい椰子の実のつゆをすすったのですが、その時はちょうど真昼で、外を歩きまわるのは熱くてしかたがありませんので、夜になってどんなことが起るかも知れないのだから、今の間に眠っておこうということになり、三人はすずしい洞穴の中にころがって、三時間ほどぐっすり昼寝をしまし