轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

「日本評論 第十四巻第一号~三号」1939(昭和14)年1月~3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,340 字 · 126 页

青空文庫

藤原四流の中で、一番美しい郎女が、今におき、耳面刀自と、其幽界の目には、見えるらしいのでおざりまする。女盛りをまだ婿どりなさらぬげの郎女さまが、其力におびかれて、この当麻までお出でになったのでのうて、何でおざりましょう。

当麻路に墓を造りました当時、石を搬ぶ若い衆にのり移った霊が、あの長歌を謳うた、と申すのが伝え。

当麻語部媼は、南家の郎女の脅える様を想像しながら、物語って居たのかも知れぬ。唯さえ、この深夜、場所も場所である。如何に止めどなくなるのが、「ひとり語り」の癖とは言え、語部の古婆の心は、自身も思わぬ意地くね悪さを蔵しているものである。此が、神さびた職を寂しく守って居る者の優越感を、充すことにも、なるのであった。

大貴族の郎女は、人の語を疑うことは教えられて居なかった。それに、信じなければならぬもの、とせられて居た語部の物語りである。詞の端々までも、真実を感じて、聴いて居る。

言うとおり、昔びとの宿執が、こうして自分を導いて来たことは、まことに違いないであろう。其にしても、ついしか見ぬお姿――尊い御仏と申すような相好が、其お方とは思われぬ。春秋の彼岸中日、入り方の光り輝く雲の上に、まざまざと見たお姿。