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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

「夕刊大阪新聞」1934(昭和9)年8月7日~12月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 页

青空文庫

「さようさよう驚きましたよ」

二人がこの島へやって来たのも、つい数日前のことであった。

どうして二人はやって来たか?

犬帰村へ行ったところ、人形箱を三十郎に取られていた。

そこで、二人は三十郎を探した。

それからそれと三日もさがした。

三十郎の行衛は知れなかった。

そこでやむを得ず二人揃って、青塚の郷へ行ってみた。

と、青塚は壊滅に帰し、郷民たちは一人もいず、明暦義党の人々も、一人も残っていなかった。

二人ながら――特に松浦民弥は、申し訳なくも思い失望もした。

どこへ行ったものかと探し廻った。

ほとんど全くわからなかった。

二人はそれから京都へ行ったり、大坂などへ行ったりした。

一方もちろん三十郎も探した。

これも行衛がわからなかった。

梶子はその間に瞥見しただけではあったが、ともかくも一度親しく見たところの、瀬戸内海の黄金島の地図――それについて、その存在所を確かめにかかった。

そこは名に負う日本的に名高い、女隠密の梶子であった。

普通の人間の感覚などとは、ダンチに違って鋭くて、やがてその島が××島であると、そういうことを確かめた。

そこで彼女は民弥にすすめて、××島へ渡ることにした。