轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

「夕刊大阪新聞」1934(昭和9)年8月7日~12月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 页

青空文庫

梶子という女はこうなってみれば、もうこっちの歯など立たない。が菊女はたかが知れている。二人の女に懸想して、二人ながら手にはいらず、宝をさがしに××島へ行ったら、明暦義党の奴ばらに嚇され、追い返されたとあったひには、俺の運も末の末だ。せめて菊女でも手に入れて、思いを晴らさないでは鬱憤が晴れない)

そこで彼は破落戸を手なずけ、菊女誘拐にとりかかったのであった。

居酒屋はいよいよ陽気となり、辻斬りの話がとりかわされていた。

「ご藩士の方々が身なりを変え、われわれ町人の様子をしたり、浪人者のような様子までして、その辻斬りの悪党武士を、探し廻っておいでなさるそうだ」

こう云ったのは二十八、九の、眉の太い男であった。

「とするとあそこにおいでになる、頭巾をかむられたご浪人など、藩士の方ではあるまいかな」

と、口もとの締った二十四、五の職人風の男が云って、三十郎の方を顎でしゃくった。

(これはたまらぬ)

と三十郎は苦笑し、反対の方へ顔をそむけた。

「噂によると辻斬りの武士は、顔に大きな痣があるそうだ」

と段鼻を持った三十近い男が、少し声高にこう云って、三十郎の方へ視線を投げた。