轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふとん

蒲団

田山 花袋

「新小説」春陽堂書店、1909(明治40)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,870 字 · 90 页

青空文庫

「佐野と御殿場でしたかナ、汽車に故障がありましてナ、二時間ほど待ちました。機関が破裂しましてナ」

「それは……」

「全速力で進行している中に、凄じい音がしたと思いましたけえ、汽車が夥しく傾斜してだらだらと逆行しましてナ、何事かと思いました。機関が破裂して火夫が二人とか即死した……」

「それは危険でしたナ」

「沼津から機関車を持って来てつけるまで二時間も待ちましたけえ、その間もナ、思いまして……これの為めにこうして東京に来ている途中、もしもの事があったら、芳(と今度は娘の方を見て)お前も兄弟に申訳が無かろうと思ったじゃわ」

芳子は頭を垂れて黙っていた。

「それは危険でした。それでも別にお怪我もなくって結構でした」

「え、まア」

父親と時雄は暫くその機関破裂のことに就いて語り合った。不図、芳子は、

「お父様、家では皆な変ることは御座いません?」

「うむ、皆な達者じゃ」

「母さんも……」

「うむ、今度も私が忙しいけえナ、母に来て貰うように言うてじゃったが、矢張、私の方が好いじゃろうと思って……」

「兄さんも御達者?」

「うむ、あれもこの頃は少し落附いている」

かれこれする中に、午飯の膳が出た。