轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
先輩後輩
と婆やは一向驚かない。大学を出たもの即ち大学者で、諸事思い通りに行くものと信じている。
先輩後輩
晩に、裏隣りの悌四郎君が訪れた。堀尾君と違って、勤め大切の律義者、上役を神さまのように敬う男だから、堀尾君の失業を当然のことゝして、その折、
「何と言っても君が悪い。世の中はそんな単純なものじゃない。駄目だよ、君は。中学時代と同じだもの」
と大いに忠告するところがあった。
「何うだね? 三井物産へ推薦してくれないか?」
と堀尾君は冗談に言った。
「迚も/\」
「何故?」
「君と机を並べた日には僕の首まで危くなるよ」
「何ういう計算だろう?」
「考えて見給え」
「何を?」
「小学校の時も中学校の時も僕は君の巻き添えで、ひどい目に会い通しだぜ。いや、学校に入らない前からだった」
と悌四郎君はその実例として、正晴君から痲疹を貰って死にかけたこと、村長さんの養魚池を荒して操行点が乙になったこと、峠の喧嘩で側杖を食って頭が瘤だらけになったことを持ち出した。
「君は覚えが好いな」
「損をしたことは忘れない」
「徳をしたことは何うだい?」
「え?」
「ハッハヽヽ」
「参った/\」
「三井物産へ世話をするかい?」