轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

吉川英治『鳴門秘帖(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鳴門秘帖、鳴門秘帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 262,100 字 · 523 页

青空文庫

「孫兵衛様で……」と身をかがめた。

「半次か」

三人の目が、一様にギラリとこっちへ向いた。最前、お綱が廻廊へ落していった反古を見つけて、ヒソヒソと読みあっていたところらしい。

「どうした、先の様子は?」

「佐竹ッ原までつけて行って、すッかり様子を見届けて来ました。案の定、邪魔をして行った奴らは、常木鴻山の廻し者でさ。まアそれはいいが、愚図愚図していられなくなったのは、お綱と万吉の方で、あの二人はとうとう今夜かぎりで江戸表にはいないことになりましたぜ」

「えッ、江戸におらぬと※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

「鴻山の手から、阿波へ渡る遍路切手をうけとって、中仙道から、木曾路の垂井へ急いで行きました。そこにゃ、先に姿を消してしまった法月弦之丞もいて、この春の道者船にのる支度をしているとかということです」

「あっ!」と三人は、あっ気にもとられたが、また躁狂として、一刻も早く、万吉とお綱の道をくい止め、弦之丞と合しぬうちに、非常手段を講じなければ――と騒ぎ立った。

しかし、それは、あくまで弦之丞を討たんとする天堂一角と、あくまでお綱に執着をもつお十夜のことで、ひとり旅川周馬だけは、割合に冷淡であった。