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ふしぎなひと
ふしぎな人
江戸川 乱歩
「たのしい二年生」大日本雄弁会講談社/講談社、1958(昭和33)年8月~1959(昭和34)年3月<br>「たのしい三年生」講談社、1959(昭和34)年4月~12月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 44,138 字 · 89 页
とてもおもしろいどうわの本でもよんでいるようなきもちでした。
林さんと、そっくりなしょうねんが、こっちへ来てごらんというので、ふたりは、おずおずとそのほうへちかよっていきました。
「ほらね、これがまほうのたねだよ」
しょうねんは、そういって、木のみきのうしろをゆびさしました。
「これが、さいしょにあらわれたにんぎょうだよ。ぜんまいじかけであるくのさ。二十センチぐらいしかないだろう。
それから、あっちにもう一つある。やっぱりぜんまいじかけなんだよ。これは四十センチぐらいあるだろう。二つともあるかせてみようか」
しょうねんは、そういって、二つのにんぎょうをもってきました。
「いいかい、みててごらん」
二つのにんぎょうをたてて、せなかのねじをまきますと、二十センチと四十センチの小さい林さんが、足なみをそろえて、とことことあるきだしたではありませんか。
四かくなめがねをひからせ、口ひげをぴんとはねて、くろいマントをひらひらさせながら。
「こうして木のみきにかくれるたびに、だんだん大きいのといれかわっていったんだよ。
そして、三ばんめにあらわれたのが、このぼくだったのさ。