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ふしぎなひと
ふしぎな人
江戸川 乱歩
「たのしい二年生」大日本雄弁会講談社/講談社、1958(昭和33)年8月~1959(昭和34)年3月<br>「たのしい三年生」講談社、1959(昭和34)年4月~12月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 44,138 字 · 89 页
きっと、ぜんまいじかけであるくようになっているのでしょうが、それにしても、なんてじょうずにあるくのでしょう。
その小さなにんげんは、しいの木のとなりの大きな木にかくれてしまいました。
たけしくんときみ子ちゃんは、いまにあの木のうしろをとおりすぎて、またあらわれるだろうとまっていました。
やがてあらわれました。しかし、これはどうでしょう。あのにんぎょうが、たかさ四十センチほどに、大きくなっているではありませんか。
木のうしろをとおるあいだに、せのたかさがばいになってしまったのです。
「わぁ、ふしぎだ。おじさんは、やっぱりまほうつかいだねえ。おじさん……、おじさん……」
たけしくんは、そういって、しげみのうしろにいる林さんによびかけましたが、林さんは、どこかへいってしまったのか、しいんとしずまりかえって、なんのこたえもないのです。
すると、ばいの大きさになったにんぎょうは、二メートルほどあるいて、そのつぎの木のみきのむこうがわにかくれました。
まもなく、そこをとおりすぎてあらわれたにんぎょうをみますと、こんどは、一メートルもあるような大きさにかわっていました。