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ヨブきこうえん
ヨブ記講演
内村 鑑三
丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页
第九講 神智の探索
第十一章、十二章の研究
第九講 神智の探索
第十一章、十二章の研究
◯我らの研究は次第に進みて、今やヨブの獲たる最大真理に近よらんとしておるのである。この際特にヨブ記研究全体について一言の注意をしたい。そもそもヨブ記了解の困難なる理由の一は、それが余りに多くの真理を含んでいるに在る。一見平凡なるが如き辞句がある重き真理を暗示しおる場合が甚だ多い故、それを見落さぬためには細心の注意を要する。ヨブ記に限らず聖書全体に亘りて、その記者たちの語法が我らのそれと根本的に相違せるは忘るべからざる事である。我らは順序を整え論理を辿りて組織的に結論に導き、彼らは前後の関係を顧慮せずして続々として真理を提示する。あたかも宝の匡を開きて手当り次第に宝石を取り出すが如くである。これ余りに多くの真理に充てるがためである。さりながら本講演はむしろ大体の経過を本流において探るを目的とし、支流または分流に探究の舟を乗り入るる場合は甚だ少ないのである。
◯エリパズは初め実験に微して「神は善なり」と説き、次にビルダデは所伝によりて「神は義なり」と主張す。そしていずれもヨブの撃退する所となった。ここにおいてか最年少のゾパル現われ、天然学上より「神智測りがたきこと」