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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 页
同行四 私らは越後の者でございます。
親鸞 まああなたがたはそのように遠くからいらしたのですか。
同行二 ずいぶん長い旅をいたしました。
親鸞 そうでしょうともね。常陸も越後も私には思い出の深い国でございます。
同行四 私の国ではほうぼうであなたの事を同行が集まってはおうわさ申しております。
同行一 あなたのおのこしなされた御感化は私の国にもくまなく行き渡っております。
同行三 まだお目にかからぬあなた様をどんなにお慕い申した事でございましょう。
親鸞 私もなつかしい気がいたします。あのあたりを行脚したころの事が思い出されます。
同行五 あのころとはいろいろ変わっていますよ。
親鸞 なにしろもう二十年の昔になりますからね。
同行六 雪だけは相変わらずたくさん積もります。
親鸞 雪にうずもれた越後の山脈の景色は一生忘れる事はできません。
同行四 も一度いらしてくださる気はございませんか。
親鸞 御縁がありましたらな。だがおそらく二度と行くことはありますまい。もう年をとりましたでな。
同行一 お幾つにおなりなされますか。
親鸞 七十五になります。
同行二 さっきちょっと承りましたら、あなたは御病気でいらっしゃいますそうで。