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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 页
遊女一 この四、五日は飲みつづけ、歌いつづけですものね。
遊女二 私は善鸞様に盛りつぶされ、酔いくたびれて逃げて来ました。
遊女三 善鸞様はいくらでもむちゃにおあがりなさるのですもの。とてもかないませんわ。そのくせおいしそうでもないのね。
遊女一 飲むほど青いお顔色におなりなさるのね。
遊女二 ばかにはしゃいでいらっしゃるかと思えば、急に泣きだしたりしてほんとうに変なかたですわね。私はお酒によって泣く人はいやだわ。
遊女三 ほんとうに私は時々気味が悪くなってよ。このあいだも私がお酒のお相手をしていたら、妙に沈んでいらしたが、私の顔をじっと見て、私はお前がかわゆいかわゆいと言って私をお抱きなさるのよ。それが色気なしなのよ。
遊女一 気が狂うのではないかと思うと、一方ではまたしっかりしたところがあるしね。
遊女二 私は始め少し足りないのではないかと思ったのよ。ところがどうして、鋭すぎるくらいしっかりしているのよ。めったな事は言われませんよ。
遊女三 なにしろ好いたらしい人ではありませんね。
遊女一 そんな事をいうと浅香さんがおこりますよ。
遊女二 浅香さんと言えば、あのかたにひどく身を入れたものね。