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みょうじのはなし
名字の話
柳田 国男
「斯民家庭 第二編第七号、第九号、第一〇号、第一一号」報徳会、1911(明治44)年7月1日、9月1日、10月1日、11月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,823 字 · 46 页
床次という名字の由来
希望もはなはだ乏しいのである。せめてもの希望として、たとい明治になって家号を付けた家々まで、その由来を明らかにすることができぬまでも、せめては地方地方の旧族名門、及びいわゆる士族という階級だけは、多少の辛苦をすればわかるのであるからして、今の中にその家号の索引を拵えておきたいものである。
この材料としては、地方地方の風土誌の類にも旧家の記事があるし、また武家の方では徳川幕府で作った『寛政重修諸家譜』の類、各藩では家々から提出した勤め書の類を合わせれば、過半の材料は容易に得られるのである。この類の書物さえあれば、たとい士族でなく豪農でない家でも、自分の家と同じ家号の中から、自然に家の歴史を知ることができるであろうし、反対の証拠のない限りは、自分の居住地に最も近き同家号の家をもって、その本家を推定することができるし、その本家の歴史がわかれば、自分等の血統上祖先とその地方、ないし旧領主との関係もわかり、延いては一国の歴史との交渉点も見出さるる訳であるから、将来の青年に対する訓育的の効果は決して少なくはないと思う。
床次という名字の由来
簡略ながら名字の本論はこれで終った。