轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页
その白張りの提灯が、ぼかす様に、清玄の亡霊に変って行くことも予想された、だが、……
提灯がボーッと霞んで行くあとから、それに入れ代って、幽かに現れて来た人の顔は!
扮装は確に清玄だ。蓬々伸びた頭髪、鼠色の着付、芝居でお馴染の清玄に相違ない。それにしても、清玄には唇があった筈だが。
今、現れた人の顔には、唇がない。骸骨そっくりだ。
アア、何という隠れ場所であったか。どこを探しても、賊の姿がなかった筈だ。彼は竹藪の奥の暗闇で、清玄の亡霊になりすましていたのだ。
文代を桜姫になぞらえ、自ら清玄に扮した思いつきには、ゾッとする様な、犯罪者のいびつな誇示があった。
「音を立てぬ様に、ソッと忍びよるのだ。ピストルを持って。だが、撃ってはいけないよ」
明智が、小林少年の耳に口をよせて、あるかなきかの声で囁いた。
二人は柵を越えて、竹藪の中へ入って行った。
相手は鏡に写っているのだ。本物がどの辺にいるのか、ちょっと見当がつかぬ。その代りに相手の方からは、薄暗いこちらの様子は見えぬ便宜がある。音さえ注意すればよいのだ。
唇のない清玄は、進むにつれて、不気味に宙に漂って、フワフワとこちらへ迫って来る。